私は投資判断やリスク管理に「収益還元法」を中心と
 した金融工学の考え方を使っています。
 
 ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
 をご紹介してみます。

 「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
 判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!

 初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
 オススメします。

 バックナンバーはこちら 

「マネーゲームではない本当の投資」一緒に考えて見ませんか?!
 
【アクリバ理論その21】予測不要の投資法!
 ※今回の内容は、特許および特許申請中の情報を含みます。
  権利者へ無断での他への転載は禁じます。

 前回はリバランスと言うものの「意外な効果」をご紹介しました。
 これは、株価が上がる下がるに関係なく「振動さえすれば」
 利益を生み出してくれる仕組みです。

 そして、これを固定比率にせず

  ①株が安い時、株の比率を上げて
  ②株が高い時、株の比率を下げる

 なんてやれば、さらに利益の追求が期待できると書きました。

 気づかれましたか?!これって「予測は不要」な投資方法なんで
 す。しかもBuy And Holdなんてネムタイ話ではありませんヨ。

 以前も書いたとおり、将来の予測なんてものは、プロのアナリス
 トでもマトモにできていないのが現実。
 
 風車に戦いを挑むドンキホーテみたいな事はそろそろ止めません
 か?!

 でも、ギャンブルやっている人はホボ全員が「自分の予想は当た
 る」と信じているのですよね・・・で中央競馬会は儲かっている
 ワケですが・・・。

 では
 「ちょいアクティブ、簡単だけどプロにも勝っちゃうぞ投資法」
 進めます。

【リバランスの種類】

 私は、リバランスの考え方には二種類あると思っています。
  一つ目は「パッシブリバランス」
  二つ目は「アクティブリバランス」
 です。
 #この言葉は一般的には通用していないと思いますので、ご承知
 #おきください。

 「パッシブリバランス」とは比率を固定した投資。
 例えば株を50%、現金50%と決めたら定期的にこれに戻す手
 法です。この方法だと最初に決めたことを守るだけで良く、作業
 的には難しい事はありません。

 さて「アクティブリバランス」です。
 これは何らかの手段で「株価が安い」と判断できた場合、株の比
 率を上げます。反対に「株価が高い」と判断できた場合、株の比
 率を下げます。

 ですから、「パッシブリバランス」と比べると、次の2点で厄介
 です。

  1:なにを基準に「株価が安い高い」を判断するか。
  2:「株価が安い高い」が判断できたとして、どの程度の比率
    が妥当なのか。
    #株価が標準の時、株の比率を50%にするとして、
    #株価が安い時、どこまで比率を増やすのが妥当なのか?

 さて世の中の人々は「逆アクティブリバランス」を良くやってい
 る事をご存知でしょうか?!(苦笑)

 「株価が安い高い」の判断をアイマイにしていると「株価が上が
 っきた」所で買いたくなってしまいます。
 すると多くの人が「株価が高い」ところで株の比率を上げてしま
 うのです。
 「パッシブリバランス、株は50%」と決めていたハズの人が
 「株価が高い」所でいつの間にか「株は80%」に変わっていた
 り、反対に「株が安い」時に怖くなって「株が20%」になって
 いたりするのです。
 ・・・これではあきまへん。

 ですから「株価が安い高い」は(正確ではなくても良いから)明
 確な指標が必要です。

 そして、

 「株価が標準の時、株の比率を50%にするとして、
   株価が安い時、どこまで比率を増やすのが妥当なのか?」

 これも適当ではいけません。
 
 前回も書きましたが、このリバランスは一種のナンピンなのです。
 思いつきだけでやると「下手なナンピン、スカンピン」となって
 しまいます。

 ですから、
 「絶対に破綻しない。けれど効率的(ムダの無い)手法」
 を考えておかなければなりません。

 厄介なテーマですが、進んで参りましょう!

【株価が安い高いの判断】

 これまで、このシリーズを読んでくださった方々なら、もう答え
 は分かっていますね?!
 この判断、私は「バリュー分析」が一番適していると考えていま
 す。

 理由はこれまでも散々書いてまいりましたが・・・

 勘での判断は
 「高い時に上がりそう、安いときに下がりそう」
 との判断をしてしまいがち・・・だから危険。
 #ただ、本当に上手い人の勘は別です。

 過去の株価(だけ)で判断する方法は
 「株主資本や利益水準などが変動している場合、株価水準が変
  わってしまう」
 なんて問題もあります。

 ですから「株の価値」がどう変化しているかを基準にした方が
 安全、確実なワケです。そしてこの方法は「広義の裁定取引」
 と言う範囲でもありますし・・・。

 手順としては次です。

 1:過去の(私は8年を基準にしています)平均的な株の価値
   水準を確認します。つまり妥当な「回収リスク」を求めれ
   ばよいワケです。

 2:上記から、今の妥当な株価を「想定」します。あくまで
   想定です。予想ではありません。
   
   これを「需給/心理的要因がニュートラルの場合の株価」
   と見なすわけです。

   今私がいくらを想定しているかは「勝手に・・・」をご覧
   下さいネ。

 3:この想定をもとに

   株価水準 = 今の株価 ÷ 想定株価

   を計算しておきます。これが1以上なら「高い」ですし
   1以下なら「安い」です。

   なぜわざわざこんな計算をするか・・・これがこの後の
   「株の比率決定」に必要だからです。

 ※上記はこれまでの「収益還元法シリーズ」で書いてきた事
  ですので、詳しい説明は避けておきます。
  &
  一部曖昧な表現になっている部分は門外不出と言う事でご
  容赦下さい。

【株の比率をどう決めるか:序章】

 さて、いよいよこのテーマに入りました。ここから少々金融工学
 の概念を取り入れます。
 
 なるべく簡単に書くことを心がけますが、おそらく面白くない内
 容になってしまうでしょう。ご容赦下さい。
 ですが、おそらく一番重要な話でもあります。
 お付き合い頂けますと幸いです。

 株の比率をどう決めるか・・・の前に、なぜ比率を変えるのか?!
 を確認しましょう。

  ○なぜ株の比率を上げるか

  「今後、株が値上がりする確率が高い。この値上がり益を享受
   したいから。」
  ですね?!

 そして、

  ○なぜ株の比率を下げるのか

 「今後、株が値下がりする確率が高い。この値下がり損を避け
  たいから。」
 ですね?!

 簡単に言うとリターンを期待して「株の比率を上げ」リスク避け
 る為に「株の比率を下げる」ワケですネ。

 実は金融工学、名前はイカツイ感じなのですが、結局の所
  「リターンとリスクのバランスをどう取るか?!」
 だけがテーマだったりします。

 ただ、昔は勘で行っていたこれらの作業が、統計学をフル活用し
 て「計算」出来るようになったと言うダケです。
 ヘッジファンドなんかも、この手法を極限まで追求しているワケ
 です。

【現代ポートフォリオ理論】

 さて、この金融工学の元祖とも言えるのがこの考え方
 「現代ポートフォリオ理論」です。
 これを英語で言うと「Modern portfolio theory」と言います。
 よく省略されてMPTと呼ばれたりします。私もMPTと呼ぶこ
 とにしますね。

 この理論、ノーベル賞を受賞した程の理論なのですが、言ってい
 る事は難しくはなくて

 「リターン ÷ リスク」が大きくなるほど良い投資である

 と言っているに過ぎません。画期的だったのは「リスク」を数式
 で表現したところでしょうか?!

 リターンは皆さんも理解されている通り
 「1年後には、配当1%と値上がり益10%が期待できる」
 というヤツです。この場合11%(1%+10%)ですね。

 さてリスク、MPTの世界では「株の値動きの平均値」
 を使います。違和感があると思いますが、こんな物だと覚えてく
 ださい。
 #正確な言葉で言うと株価変動の分散又は標準偏差です。
 #しかも、実数ではなくて対数を使うのが一般的です。
 #まあ、特に計算する必要もありません。

 ・・・で、「リターン ÷ リスク」が結局の所何を意味するか

 答えは「儲かる確率=勝率」だったりします。

 MPTは
 「勝率を上げるためには、リターンを増やすかリスクを減らさな
  ければならない」
 と言っているのです。あたりまえと言えばあたりまえです。

 さて、このリターンとリスク・・・実際にはどの程度でしょう
 か?!
 以前にもお話ししたとおり、日経平均の場合、おおよそ

  平均リターン 約4%
  リスク    約20%

 なんて感じです。
 
【株の比率をどう決めるか:1章】

 突然、平均リターン約4%、リスク約20%なんて言われても
 戸惑いますよね。(苦笑)

 わかりやすく、すごーく単純化すると
  
   日経平均は1年後に
      24%値上がり(4%+20%= 24%)
      16%値下がり(4%-20%=▲16%)
   のいずれか五分五分・・・と考えればよいです。

 で、これが何を意味するの?!・・・となりますが

 「貴方は年間16%の損に耐えられますか?!耐えられないなら
  投資比率を下げないといけませんね」だったり
 「まだまだ行けるならレバレッジ上げても良いですね」
 だったりします。

 ただ投資比率を変えても

   勝率 = リターン ÷ リスク

 は変わりません。レバレッジを上げても変わりません。
 #例えば、投資比率50%の場合リククもリターンも半分になり
 #ますよネ!レバ2倍にしても同様

 ですから、
  「平均リターン約4%、リスク約20%だけでは」多少リスク
 コントロールに役に立つだけなんです。(苦笑)

 もともとMPTは
 「勝率を上げるためには、リターンを増やすかリスクを減らさ
  なければならない」の後に
 「このためには分散投資をすることが有効である」
 と続けて使うことが多いのです。

 ですから
 「この銘柄はリターンn%、リスクn%だからこちらの銘柄と
  組み合わせるとリターンは変わらないがリスクは減る」
 なんて考えます。(もちろん計算しながらです)

 そして、許容できるリスクにあわせて全体の資金配分を決めて
 ゆきます。
 つまり「パッシブリバランスの比率」の決定にもこの考え方が
 使われます。
 年金なんかは、こういった形で運用されているワケです。

 でもこれでは「つまらない」ですよね。次回は勝率を上げる為の
 「アクティブリバランス」でのMPT活用です。


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2010.09.11 Sat l 投資技法 l top