私は投資判断やリスク管理に「収益還元法」を中心と
 した金融工学の考え方を使っています。
 
 ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
 をご紹介してみます。

 「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
 判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!

 初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
 オススメします。

 バックナンバーはこちら 

「マネーゲームではない本当の投資」一緒に考えて見ませんか?!
 
【アクリバ理論その20】お金の魔法!リバランス
 ※今回の内容は、特許および特許申請中の情報を含みます。
  権利者へ無断での他への転載は禁じます。


 以前、私は
  「Buy And Holdとは基本的には利益が出せる物」
 とお話しました。

 そして前回は、
  「バリュー投資(広義の裁定取引)を上手く活用できれば
      Buy And Holdを上回ることが出来る可能性がある」
 と書きました。

 実は、この二つは相反するものではなくて、組み合わせて実行で
 きるのです。その話はちょいお待ち下さい。

 そして今回からお話するリバランスの考え方を加えれば・・・

 私の目指す
 「ちょいアクティブ、簡単だけどプロにも勝っちゃうぞ投資」
 が完成します。(笑)

 引き続きお付き合い頂ければと思います。

【リバランスとは】

 「この世で一番不思議なのは複利だ」・・・おっしゃったのは
 確かアインシュタイン博士だったと記憶しています。

 私もこれには同意なのですが、個人的には

 「リバランスも複利に匹敵するぐらい不思議」

 なんて思っています。今回はこの話です。

 さてこのリバランス。別に難しくも何とも無くて、日本語で言え
 ば「資金再配分」です。

 例えば
 「資金の50%を株で運用、残り50%を預金しておく」
 とまず決めておきます。
 この後、株価が値上がりすると、株の金額比率が高くなります。
 これを「株50%、預金50%に戻すこと」
 これがリバランスです・・・つまらないですね?!

 でもこの「リバランス」不思議な力を持っているのです。
 そして意外とこの事を意識している方は少ないのです。

【お金の魔法リバランス】

 さて、ウダウダ言うより実例でお話した方が早いですよね!
 
 まず、100万円の資金があるとします。
 そして1株1000円の株を500株を購入します。

 さらに残り50万円は現金で持っておきます。

 つまり株50%、現金50%で資金配分した事になりますネ。

 この資金配分、放って置くと株価が変動した時に比率が崩れます。
 ですから「定期的に」50%に戻すことにしましょう!

 これだけの事ですが、不思議な事が起こります。

 ■例1

 「株価が1000円から500円に下げて、また1000円に戻る場合」
 
 何もしなければ・・・もちろん全資産額は変わりません。
 でもリバランスすると・・・

  ①最初は千円の株500株+現金50万円

   =>資産総額は100万円です。

  ②株価が500円になりました。500株ですから
   株の評価額は合計25万円+現金50万円

   =>資産総額は75万円です。

  ③資産配分を50%に戻します。

   つまり、株の評価額合計を75万円÷2=37.5万円にします。
   従って500円の株を250株追加で買わなくてはなりません。

   買った後は750株を持つことになります。
   当然、現金は37.5万円に減ります。

   =>資産総額は75万円です。

  ④株価が1000円に戻りました。750株を持っていますから、
   株の評価額は75万円です。
   現金は37.5万円のままです。

   =>資産総額は112.5万円です。

  株価が下がって元に戻っただけです。
  でも資産はなぜか12.5万円増えています。
  やった事は、あくまで資産配分50%をキープしただけです。
  
  では引き続き・・・

 ■例2

 「株価が1000円から2000円に上げて、また1000円に戻る場合」

 何もしなければ・・・もちろん全資産額は変わりません。
 でもリバランスすると・・・

  ①最初は千円の株500株+現金50万円。前回同様です。

   =>資産総額は100万円です。

  ②株価が2000円になりました。500株ですから
   株の評価額は合計100万円+現金50万円

   =>資産総額は150万円です。

  ③資産配分を50%に戻します。

   つまり、株の評価額合計を150万円÷2=75万円にします。
   従って2000円の株を125株売らなくてはなりません。

   売った後は375株を持つことになります。
   当然、現金は75万円に増えます。

   =>資産総額は150万円です。

  ④株価が千円に戻りました。375株を持っていますから、
   株の評価額は37.5万円です。
   現金は75万円のままです。

   =>資産総額は112.5万円です。

  株価が上がって元に戻っただけです。
  でも資産はなぜか12.5万円増えています。
  やった事は、あくまで資産配分50%をキープしただけです。

 いかがでしたでしょう?!どちらも株価が変動して元に戻ったダ
 ケなのです。でも、なぜかお金は増えています。上げて戻ろうが、
 下げて戻ろうが、関係ありません。

 けっこう不思議じゃありませんか?!

【魔法のタネ明かし!】

 魔法と言うにはちょっと大げさだったかもしれません。
 手品くらいでしょうか?!でも面白いですよね!

 みなさん理由は分かりましたか?!



 ではタネ明かし・・・
 
 資産配分を保つために「定期的に」比率を50%に戻しました
 ・・・これがミソです。
  
 変動するのは株価です。
 比率を50%で保とうとすると・・・・

  ①値上がりした時は「株の一部を売る」
  
 ですし・・・
 
  ②値下がりした時は「資金の一部で買う」

 と言う事になるのです。

 つまり相場で利益を得るための基本

 「安いときに買って、高いときに売る」が

 自動的に出来てしまっているのです。
 いわゆるナンピン買いの一種です。

 ですが、「下手なナンピン、スカンピン」ではありません。
 絶対に破綻する事のない「上手いナンピン」なんです。

 「下手なナンピン」をすると「スカンピン(素寒貧)」になって
 しまう訳で、「上手いナンピン」は、むしろ資産運用に有効です。
 ※スカンピン(素寒貧)は全てを失ってしまうとの意味です。

 当然、先程の例みたいに半分になったり2倍になったりする事
 は稀です。ですがこの効果、実際の投資でもバカにできません。

 モチロンお好みでしたら、株の比率を上げても下げても良いの
 ですよ!50%にこだわる必要はありません。

【比率は固定?!】

 このリバランスの効果は古今東西色々な研究者が認めています。
 あのバフェットさんの師匠、グレアムさんあたりは
 「株の比率は25%~75%を保つと良い」
 なんて言っています。

 でもこの比率、明確な根拠は見当たりません。
 そしてなぜか「比率は固定」が原則の様です。
 この「固定」も明確な理由は見当たらないのです。
 ※強いて言うならば「将来は分からないから」でしょうか?!

 ですが、私は「比率は固定」でなくても良い。むしろ良い成果
 を得るには「比率を変えなくてはならない」と思っています。
 ここが私の「ちょいアクティブ」の真骨頂!

 比率固定でも
 
  「相場で利益を得るたの基本、
        安いときに買って、高いときに売る」

 は実現できます。
 
 ですが、

  ①株が安い時、株の比率を上げて
  ②株が高い時、株の比率を下げる

 なんて如何でしょうか?!

 こうすれば

 「 安い時に(もっと)買って、高い時に(もっと)売る」

 なんて出来そうです。この方が利益は伸ばせそうですネ!
 
 名づけて
       「アクティブ・リバランス」
   ・・・どこかで聞いたような気もしますが・・・

 もちろん、株の高い安いが明確に判断できるならこんな事は必要
 ありません。でも「株の高い安い」を明確に言い当てる事はプロ
 のアナリストでも難しいのです。こんな事に挑むのは時間の無駄
 です。

 ですから私達は「おぼろげな」高い安い程度でなんとか相場を乗
 り切る事を考えましょう。これを実現する知恵が「資金配分」です。

 そして私達は「広義の裁定取引=バリュー分析」と言う武器も手
 に入れました。
 株の安い/高いも「おぼろげには」判断できそうです。

 この武器を使えば
  ①株が安い時、株の比率を上げて
  ②株が高い時、株の比率を下げる
 出来そうな気がしませんか?!

 ですが、この資金配分・・・どうやって決めれば良いのでしょ
 うか?!
 
 「『おぼろげな』株価の判断で適切な株の比率を決める」

 かなり難しいことです。

 そこで、ここからが金融工学の出番です。
 金融工学の「わからないものは、それなりに対処する」手段で
 なんとかこれを乗り切りましょう!

 次回こそは「現代ポートフォリオ理論」や「VaR」と言った考
 方に踏み込みま~す!

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2010.09.03 Fri l 投資技法 l top