私は投資判断やリスク管理に「収益還元法」を中心と
 した金融工学の考え方を使っています。
 
 ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
 をご紹介してみます。

 「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
 判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!

 初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
 オススメします。

 バックナンバーはこちら 

「マネーゲームではない本当の投資」
 一緒に考えて見ませんか?!
 
【アクリバ理論その16】システムトレード:統計分析のワナ


 前回はテクニカルでの株価の予測について、

 「あてにならない可能性が高い事を認識しておくべき」

 また

 「精度の高い、テクニカル分析を追及する事は
  『骨折り損のくたびれもうけ』にしかならない可能性大」

 とのお話をしました。私だけではなく、世界中の研究者が言っ
 ている事です。
 反論もあろうかと存じますが、一度冷静に考えて見ることを
 オススメします。

 【株価の将来予測は可能・・・と思う】

 特に先週の日記を読んで頂いた方々には

 「のりダーは株価の将来予測は不可能と考えている
  つまりByu And Hold戦略に勝るものはないと思っている」

 なんて取られてしまいそうですが・・・これは誤解です。

 私は「Byu And Hold戦略に勝つ方法は存在する」

 と考えています。しかも個人投資家が実行可能な範囲で!

 でも、そこに至る前に「世界中の研究者が出した結論」
 を確認しておかないと「のりダーの勝手な思い込み」と思
 われてしましそうです。ですから
 
 「私はここまで検証して、こんな結論を出しましたよ」

 と毎週つづっております。
 反対に私の検証ミス/勘違いなどがあれば指摘頂けますと
 幸いです。

 さて「株の将来は予測できるか?!」について更に検証し
 ます。

 【システムトレード:統計分析のワナ】

 テクニカルに限らず、将来予測を行う場合には統計的な手
 法をよく使います。

 そして、この統計の良いところは
 「すべてを調べることなく、全体像を知ることが出来る」
 なのです。

 例えば、
 ・一部の世帯のテレビ番組視聴状況を確認する事で
  全国のテレビ番組視聴状況がわかる。

 ・一部の方に電話調査をする事で、全国の世論が分かる。

 ・一部の方の出口調査をする事で、選挙結果が分かる。

 等です。

 例えば、世論調査なんて本当は全国民1億人を調査しなけ
 れば分からない内容です。
 ですが、実際には千人程度の調査しかしていません。
 これで十分であることが数学的に証明されているのです。

 ところが、これが危険なんです。

 今回の結論を書いてしまいますと

 「中途半端な理解で統計を使ってしまうと、重大な間違い
  をしてしまう可能性がある」

 そして

 「株の分析で『統計的分析/確率分析』と称しているもの
  は、この大きな間違いをしてしまっているケースが多い」

 なのです。

 この間違いとは何か・・・

 統計学では
 「無作為(つまりランダムに)抽出されたサンプルは、
  全体を代表している」
 と考えます。

 ところが株の統計では、この重要な原則を無視してしまう
 事が多いのです。

 「株の分析」ではよく
 「過去ン年のデータを確認すると」との言い方をします。

 つまり
 「過去ン年の連続データを
   『ランダムに抽出したデータであると』仮定して
  分析を行っている」
 と言う事になります。

 この行為は「統計学の原則」を最初から無視してしまっ
 ているのです。

 ところがやっかいな事に、この過去データが
 「対数正規分布」
 と言う統計に合ってしまうのです。

 ですから例えば
 「過去4年間の株価はこう動いた。だから統計上は今後
  はこうなると言える」
 と、もっともらしく「理論的」に言えてしまうのです。

 ところが現実には
 「過去4年は通用した法則が、次の1年ではまったく
  通用しなかった」
 なんて事が多々起こります。

 私はこの原因の一つが「統計学の原則無視」に起因して
 いると考えています。(他にも原因はありますが、別途)

 では、これをどう回避するか・・・

 私は前回

  「運ではない」と言うには、最低4年/できれば10年
   程度の運用実績が必要。

 と申し上げました。

   そして、人によっては運用実績50年以上と言う人も
   いる。
 
 とも申し上げました。

 これは次に言う
 「仮説=証明はされていないが経験から言えそうな説」
 が、背景にあります。
 #あくまで私の個人的な仮説ですので鵜呑みにはしないで
 #下さいネ!

 仮説:
 「将来の株価を考えるには
 『正規分布』ではなくて『T分布』を前提にするべき。
  この場合、1年分のサンプルを1個のサンプルとして
  扱うべき」

 少々難しい言葉を使いましたが、言葉はどうでも良いです。

 要は、
 「過去ン年は勝率N%のトレード方法があったとしても、
  この勝率は将来継続するわけではなく、絶対に下がる」
 という事です。

 具体例を申し上げると

  例えば過去2年で勝率90%だった方法があるとします。
  T分布で次の1年間の勝率を考えると、65%程度にし
  かなりません。さらにその翌年は50%まで落ちます。

  つまり、この方法は2年後には「役に立たなくなる」
  という事です。

 もちろん、過去の期間を延ばせば、確率は上がって行きま
 す。

 例えば過去10年で勝率90%だった方法があるとして、
 T分布で次の1年間の勝率を考えると、86%程度は確保
 できる計算です。

 ここで注意が必要な点、
 上記で2年だとか10年だとか言っているのはあくまで
 「運用期間」です。「検証期間」ではありません。

 例えばシステムトレードを行うとすると

 1:過去10年などのデータでルール作成をする。
 2:その後のデータ2年等でバックテストを実行する。

 などを行って、実際の運用に入るハズです。

 私が「運用期間」と申し上げているのは、あくまで2の
 方、つまり2年です。その前の10年は計算に入れませ
 ん。

 更に、後の2年の成績を良くするためにルール変更した
 場合などは愚の骨頂。
 これは「統計的な裏づけなしに」実運用に入るのと同じ
 意味合いです。

 世の中には高価なシステムトレードツールが販売されて
 います。・・・ですが、これらのツール。本当に統計的
 なウラを取れるツールかと言うと、かなり危険な気がし
 ています。

 「中途半端な理解で統計を使ってしまうと、重大な間違い
  をしてしまう可能性がある」

 そして

 「株の分析で『統計的分析/確率分析』と称しているもの
  は、この大きな間違いをしてしまっているケースが多い」

 とくにシステムトレード等を考えていらっしゃる場合には
 一度冷静に検証される事をオススメします。
 #特に重要なのは、実運用でそれなりの期間(最低4年)
 #実績が上がっているか否か・・・です。

 次回は先送りになったファンダ/裁定分析の有効性に話を
 進めたいと考えています。

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2010.08.08 Sun l 投資技法 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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